地熱発電に関する情報

地熱発電の特長

再生可能なエネルギー

火山性の地熱地帯では、地下深部がマグマに熱せられ高温になっています。この地下深部の高温域を地熱貯留層といいます。地表面に降った雨や雪が地下深くまで浸透し、地熱貯留層まで達すると、高温の流体になります。この高温の流体を地熱流体といいます。地熱流体は浮力を持つため上昇します。このような地熱流体の流れは、主として割れ目を通して起こります。

地熱発電のために地下から蒸気や熱水を取り出すと、その分だけ地熱貯留層から地熱流体は減ります。すると、その減った分に応じて周囲から地熱貯留層に向けた地下流体の流れが生じます。また、還元井から地下に戻された熱水も地熱貯留層に戻り、再び暖められます。

このように、自然に回復するサイクルに見合うように地熱発電を行えば、地熱エネルギーは永続的な利用が可能です。

地熱発電イメージ

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純国産のエネルギー

日本は、エネルギー資源である石油・天然ガス・石炭・ウランなどのエネルギー資源の大部分を輸入に頼っています。エネルギー自給率は、2020年において原子力を国産とした場合でも11%に留まり、約90%以上を輸入しています。

地熱資源は世界有数の火山国である日本の地下に豊富に蓄えられており、この国産のエネルギーを利用することは、日本のエネルギー自給率の向上につながります。

主要国のエネルギー自給率(2020年)

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豊富な資源量

火山国である日本は、アメリカ、インドネシアに次ぐ、世界第3位(2,347万kW相当)の地熱資源大国です。国内で稼働中の地熱発電所の出力は、合計約51万kWと、地熱資源量のわずか2.2%であり、この発電出力は世界第10位です(2023年4月現在)。図から読み取れることは、完新世陸上火山が平均的には1個あたり約21万kWの地熱蒸気発電に寄与していることを意味しています。日本には豊富な地熱資源量がありながら、十分利用されずにいます。

各国の地熱資源量と活火山数の関係

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クリーンなエネルギー

発電所建設から運転中、発電所解体までに発生する全てのCO2について計算した数値(発生する全CO2排出量を全発電量で割った数値)を「ライフサイクルCO2排出量」と言います。地熱発電は、ライフサイクルCO2排出量が最も少ない発電方法の一つで、地球温暖化の軽減に効果的です。

電源別平均ライフサイクルCO2排出量

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安定的な電源

地熱発電は、昼夜・天候を問わず24時間連続して発電することができます。これにより、地熱発電は太陽光発電や風力発電と比べて設備容量は少ないものの、設備容量に対する発電電力量が多く、利用率が高い安定電源です。

また、自然エネルギーの中では出力も安定しており、ベースロード電源として利用できます。

年間発電電力量 - 設備容量 - 利用率の比較

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